犀川2020秋 鯉一郎様

いつか本流にも行ってみたい。

そんな想いを描いていたある日。ひとつ歳上のM先輩の予定に便乗する形で、本流デビュー戦の日程が決まった。

以来、明確な目標に向けてスペイキャスト練習の日々となり、トーナメントキャスター・スペイキャスターの皆さまの直々レクチャー&アドバイスでなんとか、いざ実戦へ。

朝6時。朝靄の幻想的な雰囲気のなか川に入り、胸の高鳴りを抑えながら1キャスト3ステップで釣りくだる。

流れ方、魚の付き場を教わるもイメージがわかず、先輩にタックルを手渡す。すると3キャストもしないうちにぼそっと。かかった、と。そのまま冷静にロッドをしならせ、難なくキャッチ。

その羨望から8時間。いくつかポイントを移り、LtL馴染みメンバー方の釣果に焦りはじめた頃、ようやくの初アタリも油断してネットイン失敗。もう釣れたことにしようか、否、多摩川キャス練メンバーの皆さまも期待してくれている。何より、M先輩の期待にもどうしても応えたい。よし、釣る。もう釣れるイメージはすぐそこに。

昼飯も食わずに執念深くフライを流し続けた14時30分。ヒキを存分にニタニタと味わい、バラす前にとドキドキしながら先輩の待ち構えるネットで、無事にキャッチ。

1匹の魚に出会えることがこんなにも嬉しいとは。そして一緒に喜んでくれる、場所も距離も問わず分かち合えるフライフィッシャー方。これだから、釣りはやめられない。

支え、助け、教えありきの今。この恵まれた環境、フライマンへの多謝。

恩返しはもっと経験値と腕をあげた先の釣果でまだいいはず。そしていずれは次の時代へと少しでも受け継げる、そんな釣り人を目指そう。

いつか湖にも行ってみたいな。

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